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2022年09月27日

コラム

特別養子縁組成立後の支援のあり方について

パートナー兼主任研究員 和田有理

平成28年の児童福祉法改正などを受けて、国は養育の永続性(パーマネンシー)を保障する観点から、それを必要とする子どもに対して「特別養子縁組 1 」の活用を促すとともに、制度への理解を進めるための広報の展開や制度のあり方の検討、民間あっせん機関 2 への支援等を講じています。
特別養子縁組の当事者(養親・養子・実親)に対しては、縁組成立直後や数年後、および更に長期的な観点からの支援が必要と考えられますが、それぞれの状況に応じた支援のあり方や内容は、十分に確立されているとは言い難い状況にあります。
そのような中、弊社は令和3年度に、厚生労働省の調査研究事業「特別養子縁組成立後の支援のあり方に関する調査研究 3 」を実施し、縁組成立後の支援の実態や課題について、児童相談所および民間あっせん機関を対象とする調査を行いました。
調査の結果、縁組成立後の支援においては、長期的・継続的な支援を希望するケースがある一方で、あっせん機関との関わりを避けるケースもあり、当事者のさまざまな状況に応じた支援体制が必要であることが示唆されました。また、子どもの出自などに関する記録の開示については、機関によって方法にばらつきがあったことから今後、記録に関する新たなルールの必要性についても考えていかなければならないでしょう。

1 子どもの福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度。令和2年には民法が改正され、特別養子縁組の対象年齢が「6歳未満」から「15歳未満」へと引き上げられた。

2 国、都道府県及び市町村以外で、都道府県知事の許可を受けて、養子縁組あっせん事業を行う者。令和3年4月1日時点で22機関となっている。

3 https://doctoral.co.jp/wp-content/themes/EBP/assets/pdf/kodomokosodate/houkokusho_2021.pdf

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