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令和3(2021)年度子ども・子育て支援推進調査研究事業

特別養子縁組成立後の支援のあり方に関する調査研究

【目的と方法】

本調査研究では、特別養子縁組成立後の支援について、児童相談所および民間あっせん機関を対象とするアンケートおよびヒアリング調査を行うことにより、実態や実例、課題を把握し、支援のあり方を検討することを目的とした。また、当事者にとって必要な支援を把握するための当事者対象のヒアリング調査、および、国内における取組の参考とするための海外(英国)機関対象のヒアリング調査を実施した。

【結果と考察】

  1. 特別養子縁組成立後の支援のあり方について
    • 特別養子縁組成立後6ヶ月以降においても個別のニーズに合わせて、家庭訪問や相談支援を継続することも検討されることが望まれる。
    • 成立後の支援については、いつでも相談に来て良いと伝えても当事者にとってはハードルが高い。また、当事者があっせんを受けた機関との関わりを避けることもある。そのため、あっせんを行った当該機関による継続的支援だけでなく、つなぐ先を確保することも必要と考えられる。さらに、里親サロンのような養父母のグループの広がりや活動を支えていくことも必要であると考えられる。
    • 海外ヒアリングの結果において、実家族と子どもが交流する場合のサポートについて触れられている。日本でも、子どもが自分の出自を肯定的に受け止める支援の観点からも、同様の取組について検討した方が良いのではないかと考えられる。また、実家族との交流や再会に関する取り決めを文書で作成する支援や、どのような場合に必要となるか、取り決めの法的効果などについても検討する必要がある。さらに、養子縁組後も実親を継続的に支援することで生活を改善し、将来的に子どもにとってより良い再会に備えるという視点も必要かもしれない。
  2. 記録の保管や開示、情報提供のあり方について
    • 記録の保管については、行政・民間ともに電子化が進み、年々蓄積データが増えていくことを考えると、国内における一元管理の必要性を検討すべきではないか。
    • 記録の開示や情報提供について同意を得る場合、本来はあっせん時だけでなく、開示請求があった時点での改めての同意が必要と考えられる。また、情報の内容を特定した上で同意を得ることが望ましい。こういった具体的な対応のあり方についても検討し、行政および民間において共有される必要があるのではないか。
    • アンケート結果より、機関によって情報提供や同意取得の方法にばらつきがあり、法令による整理だけでは割り切れない迷いや、混乱を防ぐことへの努力等が示唆されたことから、今後、新たなルール策定に向けた検討が必要と考えられる。
    • 記録の保管や開示という視点からは、養子縁組の成立はスタートであるという見地から、記録の作成段階から子どもの長い人生を見据えた制度整備や支援の確立が必要である。

令和元(2019)年度子ども・子育て支援推進調査研究事業

少子化総合対策に関する総合研究事業

【目的と方法】

 少子化対策に関する課題についての認識の下、その課題解決に資する取組等を把握するため、本調査研究では、アンケート調査、国内好事例調査及びインタビュー調査、海外好事例調査、有識者ヒアリングを行った。

 アンケート調査は、夫婦が持つ子どもの数が、自治体や企業の施策を中心にどのようなものに左右されるかを分析するために行った。その調査は、全国の20歳から49歳の既婚女性2,000名を対象に、WEBアンケートの形で実施し、本人と配偶者の勤務先における子育て支援制度、及び居住する自治体における子育て支援策と、実際の子ども数、理想子ども数等を尋ねた。

 国内好事例調査においては、新しいコンセプトや考え方に基づいて行われている地域に根ざした取り組みをインタビュー調査により取りまとめた。より具体的には、主に地方自治体単位で行われており、国として展開させていくことが少子化対策として有効と思われる事例を対象とした。一部の事例については自治体のデータから出生率の向上が確認できたものを対象に実施した。

 海外好事例調査においては、国内にて先行研究が少ないロシアの制度について、主に母親資本制度を中心にロシア語の文献も含めて調査し、それとフランス、スウェーデン等と比較し、ロシアの制度の特徴を考察した。

【結果と考察】

 アンケートの実施・分析の結果、子どもの数を決定するうえで重要な要素として、以下のことが明らかとなった。

  • 勤め先の制度よりも、居住自治体の施策の重要性が目立つ結果となっている
  • 自治体政策の中で、子ども数に及ぼす影響が強いものは、現金給付に関する政策である
  • 乳幼児期・学童期に関する政策の影響度が高い

 国内の事例調査においては、子育て中の人たちに交流・憩いの場を提供する取り組みの有効性が見られた一方、そういった取り組みの認知度が十分でないなどの課題も捉えられた。また、企業の時短勤務の設定なども子育ての助けとなるが、一律の適用ではなく、働く人の多様な状況に応じられるようにすることが重要と見られた。

 海外の事例調査においては、出産・育児に係る給付と休暇の制度について、具体的な金額や期間について把握した。その中でも、特に大きな金額の給付等となるロシアの母親資本に関する有識者の見解において、肯定的なところでは人口減少の抑止に貢献していると評価されている一方、否定的なところでは母親資本により出産が促されるのは貧困層であり、母親が働けなくなる期間の賃金をカバーできるほどのものではないと評価されていた。

平成30(2018)年度子ども・子育て支援推進調査研究事業

放課後児童クラブのニーズ把握に関する調査研究

【目的と方法】

 本調査研究では、放課後児童クラブの利用状況やニーズに影響を及ぼす要因について実態調査を行い、地域における正確なニーズを把握するための方法について検討するため、小学生児童のいる世帯を対象とするサービスの利用状況や利用への意思、世帯の状況等に関するネットアンケート調査(調査1)、および市区町村を対象とするサービスの実施状況や実施上の課題等に関する郵送によるアンケート調査(調査2)を行った。

 結果、調査1では、1,519世帯から回答を得た。また、調査2では、1,021市区町村中647市区町村から回答を得た(回収率63.4%)。

【結果と考察】

  1. 放課後児童クラブに対する潜在的ニーズの把握について
    • 放課後児童クラブに対するニーズの把握に当たり、現在の利用の有無だけでなく、状況が変われば利用に至る可能性のある「潜在的ニーズがある(と思われる)層」の数を推計する手法を示した。これにより、実際にサービスを必要とする人数をより正確に把握できると考えられる。
  2. 放課後児童クラブ利用の有無に関わる要因の把握について
    • 「放課後児童クラブを利用しない理由(複数回答)」をみると、「子どもに利用意思がない」ことを理由に挙げる人は「利用料」よりも「スタッフの質」等を重視してサービスを選ぶのに対し、そうでない人は「利用料」等を考慮せざるを得ない状況にある、という可能性が示唆された。
    • 「放課後児童クラブを利用する(しない)理由」として「長時間の利用の可否」を選ぶ場合には、そうでない場合に比べて放課後児童クラブを利用しやすくなるという傾向がみられ、長時間の利用の可否がサービス利用の重要なポイントとなることが推察された。
      市区町村におけるサービス実施上の課題については、「事業を実施する場所が不足している」「スタッフ数が不足している」「定員に対して利用者数が超過している」「予算が不足している」等が多く挙げられていた。
    • 「放課後児童クラブを利用している(していない)」人の中でも、その理由や世帯の状況等に応じて、様々な異なるニーズを持つ群に分類されることが示唆されたため、どの群が多いか等について把握することにより、サービスの整備の方向性を検討することが必要であると考えられる。

平成29(2017)年度子ども・子育て支援推進調査研究事業

保護者支援プログラムの充実に関する調査研究報告書

保護者支援プログラムの効果的な実施に向けたマニュアル

本マニュアルでは、児童相談所において保護者支援プログラム(※)を実施する際のポイントについて、実際のケースワークのプロセスに沿って示しました(下図参照)。

利用対象者としては、児童相談所の職員、特に、現場で新たに保護者支援に携わるスタッフの研修等に用いることを想定し、具体的な事例を示しながら、保護者支援プログラムの実施の流れや、各プロセスにおいて確認すべきポイントを明示しました。

※本マニュアルにおける「保護者支援プログラム」は「ペアレントトレーニング」を主に指しますが、家庭環境調整などのプログラムも含めています。

ケースワークのプロセス

児童相談所において保護者支援プログラムを効果的に実施するためには、プログラムの実施の前に、保護者との関係づくりや適切なアセスメント等が必要です。以下では、児童相談所におけるケースワークのプロセスを示します。

プロセス別のチェック項目(例)

ケースワークの各プロセスにおけるチェック項目(効果的なプログラム実施に向けた具体的な取り組み)の例を、以下に示します。